車両重量が1kg違うだけで、カタログ燃費の数値は大きく変わる

目安時間:約 7分

車のカタログやサイトには、JC08モード燃費(カタログ燃費)が記載されています。

 

けれど、カタログ燃費と実燃費に差があることは、ドライバーにとってはある意味「常識」となっています。

 

ですが、なぜカタログ燃費とJC08モード燃費には、大きな誤差があるのでしょうか?

 

そこでこれまでに、「JC08モード燃費があてにならない理由」や「JC08モード燃費の達成率がよい車種」についてお話ししました。

 

※燃費測定は、燃費スペシャルカーと低燃費運転のプロドライバーの影響が大きい

実燃費との差が大きいJC08モード燃費が、あてにならない理由とは?

 

※燃費不正問題で揺れた三菱自動車が、カタログ燃費達成率が一番よい

JC08モード燃費達成率ランキング&メーカー別カタログ燃費の達成率

 

 

今回は、『車両重量が1kg違うだけで、JC08モード燃費は大きく変わることがある』についてお話ししますね。

 

 

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「等価慣性重量」のせいで、燃費スペシャル仕様のグレードが発生する

JC08モード燃費の計測は、シャシーダイナモという測定器で行われます。

 

シャシーダイナモには道路のかわりにローラーがついていて、車のタイヤが回転するとローラーも回転するようになっています。

 

このローラーに車の重量などの走行抵抗にあたる負荷(等価慣性重量)をかけて、燃費の計測は行われます。

 

等価慣性重量は、下記の表のように車両重量によって細かく区分されています。

 

等価慣性重量の一例
車両重量等価慣性重量
~740kg800kg
741~855kg910kg
856~970kg1020kg
971~1080kg1130kg
1081~1195kg1250kg
1196~1310kg1360kg
1311~1420kg1470kg
1421~1530kg1590kg
1531~1650kg1700kg

(引用元:ベストカー)

 

 

車の燃費は、車両重量に大きく左右されます。

 

そのため、JC08モード燃費を計測するときは、車両重量に見合った負荷(等価慣性重量)をかけて燃費計測が行われます。

 

等価慣性重量は、車両重量がある範囲を超えると、階段状にガクっと増えるんです。

 

 

例えば、コンパクトカーでよくある車両重量1080kgの車であれば、等価慣性重量は1130kgになります。

 

これが1kgだけ重くなり1081kgになると、等価慣性重量は1250kgになって急激に負荷が増えてしまい、JC08モード燃費は悪化してしまうんです。

 

そのため、車両重量を1080kg内に収める“燃費スペシャルグレード”が、燃費自慢の車種には発生するというわけなんです。

 

 

アクアもプリウスもフィットもデミオも燃費スペシャルグレードが存在する

例えば、アクア(トヨタ)のSとGグレードは、車両重量は1080kgで、JC08モード燃費は37.0km/Lです。

 

けれど、車両重量が1090kgのXアーバンのJC08モード燃費は、33.8km/Lと急激に悪くなっているんです。

 

たかが10kg増えただけで実燃費がこんなに悪くなることはないのですが、JC08モード燃費ではこのようになってしまうんです。

 

 

フィットハイブリッド(ホンダ)も同様で、標準グレードは車重1080kgで、JC08モード燃費は36.4km/L。

 

Fパッケージは、車重1140kgで、JC08モード燃費は31.4km/Lになるんです。

 

 

デミオ(マツダ)も同じで、XDの標準グレード(6MT専用)は車重1080kgで30km/Lですが、ツーリング(6AT専用)は車重1130kgで26.4km/Lとなるんです。

 

フィットやデミオの車重1080kgのグレードは、燃料タンクの容量も少なくしているのですが、これは、車重は燃料満タンの状態で測るからなんです。

 

燃料の量を減らすことで、グラム単位で車重を軽くし、1080kgに抑え込んでいるというわけなんです。

 

 

コンパクトカークラスだけでなく、その上のクラスでも同じようなことが行われています。

 

プリウス(トヨタ)は、EグレードだけJC08モード燃費が40.8km/Lですが、他のグレードは37.2km/Lに落ちてしまいます。

 

これもやはり同じように、Eグレードは車重を1310kgに抑えているので等価慣性重量は1360kgですが、他のグレードは車重が1360kg~1380kgなので等価慣性重量は1470kgになります。

 

110kgも負荷が増えているため、Eグレード以外は急激にJC08モード燃費が悪化しているんです。

 

プリウスも燃料タンクを小さくしていて、Eグレードは38L、他のグレードは43Lになっているんです。

 

 

このようにどの自動車メーカーもJC08モード燃費の数値を少しでも良くするために、燃費スペシャルグレードを作って負荷を減らしているんです。

 

これだけのことをしていれば、JC08モード燃費(カタログ燃費)と実燃費に、大きな差が出るもの分かりますよね。

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