昨年、トヨタが発表して多くの人を驚かせた「アルミテープを車の樹脂部分に貼るだけで、走行安定性が増す」というニュース。
トヨタによれば、特許も取得しているそうです。
けれど、オカルトっぽい感じがして、にわかに信じられないですよね。
そこで、カー雑誌『CARトップ』が、トヨタのアルミテープについていろいろと調査していましたので、結果を紹介しますね。
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トヨタのアルミテープの理屈とは?
オカルトっぽい感じがする、「トヨタのアルミテープ」ですが、実はちゃんとした理屈があります。
トヨタも、特許を取得するほど自信があるということです。(国際特許を2014年に出願。公開番号は[WO/2015/064195]です)
詳しい理屈は、以下のような内容で、静電気が大きくかかわっているんです。
クルマが走ると空気と車体との摩擦で静電気が発生。空気はプラスで、ボディもプラスに帯電し、その量は最大で4000Vにもなることがあるという。
プラスとマイナスでくっつき合うのかと思っている人もいるようだが、実際はプラス同士で反発して車体表面をきれいに流れるハズの空気が剥がれる。つまり空気の流れが乱れるわけで、それで走りが不安定になってしまうわけだ。
これを防ぐために、帯電しやすい樹脂パーツで空気が剝がれやすい部分にアルミテープを装着。ここからプラスの電気を放電(コロナ放電)させて、マイナスに電位へと変えて空気を剝がれにくくする。これが理屈で、アルミテープを自己放電器と呼んでいる。
(引用元:CARトップ)
このように、帯電している樹脂パーツを放電することで、車の周りを流れる空気を整流。
空気がきれいに流れるので、走行安定性が増すということなんです。
理屈は、飛行機の放電索と同じなんですよ。
トヨタのアルミテープは、自分でも作れます
トヨタのアルミテープの純正品は、3Mと共同開発されていて、腐食防止に被膜がついています。
けれど、ものはただのアルミテープなので、自分でも作ることができます。
アルミテープをチョキチョキと切るだけなので、とっても簡単です。
重要なのは、放電を起こすために、とがった部分が必要ということです。
そのため、四角に切ったり、トヨタ純正のような形にするといいですよ。
お弁当に入れるバラン状でもOKですし、トヨタいわく半円でもOKなんですよ。
もうひとつ重要なのは、ノリ部分(アルミテープの接着面のノリ)が電気を通すことです。
なので、電気を通す板などにアルミテープを張って、(鉄の板とアルミテープに)テスターをあてて、電気が通るか確認してください。
電気を通さないと、車の樹脂部分にアルミテープを貼っても意味がないので注意です。
アルミテープを張るのは、樹脂パーツが基本
アルミテープを張る場所は、
・電気がたまりやすい樹脂パーツ
・流れる空気の向きが変わる(ボディから空気が離れやすい)ところ
が基本です。
また、帯電しにくい素材に貼っても、効果は期待できるんですよ。
逆に、金属部分に貼っても効果は望めないので、注意してくださいね。
アルミテープを張って効果があるのは、
・ドアミラー
・コラムカバー(ステアリングの下のカバー部分)
・ウインドウ
・バンパー(タイヤ周り)
・フロントバンパーの下端
・ルーフ
・エアクリーナーボックス
などです。
トヨタのアルミテープの効果は…。体感度は低いが、効果あり!?
では、どのくらいアルミテープは効果があるのでしょうか?
『CARトップ』の担当者が実際に車に貼ったところ、走りの質が上がったんです。
まず最初に付けたのはステアリングコラムのカバーだ。(中略)走って静電気が発生しないと効果は出ないのだが、取材ついでに長距離を走っていると、確かに滑らかな感じはしてくる。それより、サスペンションのあたりが柔らかくて、走りの質が上がったようだ。
そして帰りにはバンパーやウインドウなどに追加。これらは整流することで、走行安定性が増すという。相変わらず、サスペンションが滑らかに動いている感じなので、走行安定性が増したかどうかは正直なところ不明。ただ数日後、同じく高速道路上のうねっているところを通過したときにふんわりしている感じはした。車体全体の動きがゆったりしているといったらいいだろうか。
(引用元:CARトップ)
このように、アルミテープを張ることで、走りの質は上がったんです。
ただメカチューンではないので、体感は低いんです。
次に、アルミテープは静電気が影響しているものなので、ボディの静電気の量を測りました。
その結果、アルミテープなしだとプラスの数値が出ていて、アルミテープをつけて走るとマイナスの数値に変わったんです。
しかも走る前でも、アルミテープを張っただけでマイナスになったんです。
静電気量の測定結果
フロントバンパー | リアバンパー | ステアリング コラム | フロント ウインドウ | リアウインドウ | サイドミラー | |
貼らないでの 走行前 | -0.02kV | -0.01kV | -0.01kV | -0.01kV | +0.00kV | +0.00kV |
貼らないで 10km走行後 | +0.17kV | +0.01kV | +0.00kV | +0.01kV | +0.03kV | +0.03kV |
走らないで 貼った状態 | +0.01kV | +0.00kV | +0.00kV | +0.00kV | +0.01kV | +0.01kV |
貼って 10km走行後 | -0.26kV | -0.10kV | -0.01kV | -0.01kV | -0.01kV | -0.02kV |
▲体感度が高かったステアリングコラムは数字的にはほぼ変わらず。ウインドウも同様だった
(引用元:CARトップ)
このように、『CARトップ』の調査から、アルミテープは効果がありそうな感じがしますね。
興味がある人は、実際にアルミテープを貼ってみてはいかがでしょうか。
貼って走るを繰り返して、効果を感じられるところを探すと、最大限の効果を得られますよ。